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パシフィック231 (その4) [アーカイブ]

 SNCFの蒸気機関車の塗色について検討する。手許の資料:PEINTURE DES LOCOMOTIVES A VAPEURET TENDERS (1961.4.27)によると、SNCFの蒸気機関車の正式な塗色は下記の通り。
機関車上回り
 煙室、煙室扉、煙突、ランボード(煙室横および前面)、キャブ屋根、デフレクタ(内面):黒
 ボイラ、キャブ、ランボード、デフレクタ(外面)、コンプレッサ等:緑
機関車下回り
 台枠、スポーク、シリンダ(内側)、バッファ基部:黒
 タイヤ:白
 輪芯、バッファ前面:磨き出し
 シリンダ(外側)、梯子:緑
 前梁:赤
テンダ
 本体:緑
 炭庫、梯子、手すり、台車:黒
 タイヤ:白
 また、機関車のキャブ、ランボード、デフレクタ、シリンダ(外側)、およびテンダの本体にライニングを入れ、さらにボイラバンドを磨き出すか、もしくはボイラバンドにもライニングを入れるのが一般的である。 ところが、手許の3両の機関車は、2-231Kのみ緑で、2-231E、141Rは全体が黒であって規定に反している。また緑色の2-231Kも、デフレクタ外面は黒であって規定を満足していない。 さらにフランスの蒸気機関車が最後まで守り続けたライニングの色も、2-231Eは黄色であるのに対し、2-231K、141Rは赤とばらばらである。これはどうしたことだろうか。
(2007.12.22記す)
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パシフィック231 (その3) [アーカイブ]

 SNCFの蒸気機関車の形式について、さらに説明する。先にシャプロンパシの例を紹介したが、統合前の各鉄道間で車輌を譲渡したりすることは他にもあったようで、 例えばハリウッド映画「オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient express)」においてオリエント急行を牽引したことで有名な旧POのテンホイラー(のちの南西管理局の4-230G)は、NORDおよびETATにも所属しており、 統合後に、それぞれ2-230Gおよび3-230Kという形式が付されている(当時仏領であったモロッコに送られたものもあるらしい)。また、第一次世界大戦の戦時賠償によってフランスに流入した旧プロイセンのテンホイラーP8は、 東管理局の1-230Fと北管理局の2-230Cになっている。
 PLMのパシについて
 旧PLMのパシの多くは、統合前の1934年頃から、統合後の1949年にかけて近代化改装が行われ、改装の仕様の違いによって231G、231Hおよび231Kに分類された。 そして、他局に先行した南東管理局の電化の進行に伴って各局に転属して行ったのであるが、その際に形式の変更は行われなかった。つまりこれらの機関車は、統合後に新製された制式機関車と同様に扱われ、 管理局番号は、純粋に、所属管理局を示すだけの記号となったのである。各形式の所属は下記の通り。
 231G:東(1)、北(2)、南西(4)、南東(5)、地中海(6)
 231H:南東(5)、地中海(6)
 231K:東(1)、北(2)
 ちなみに形式記号のアルファベットは、単純にAから順に付けられた訳ではない。"I(アイ)"および"J(ジェイ)"は"1(いち)"と見間違えやすいため欠番とされた。そのため、上のPLMパシの例でいえば231Hの次は231Kであり、 間に形式の抜けはないのである。また、統合後の制式機関車は"P"から始まっているが、"T"はタンク式機関車を表す記号であるため欠番とされている。(2007.12.22記す)
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パシフィック231 (その2) [アーカイブ]

 SNCFの蒸気機関車の形式について説明する。SNCFにおける蒸気機関車の形式の付け方は、周知のように軸配置を基本としている。例えばパシ(先軸2軸、動軸3軸、従軸1軸)であれば「231」、ミカドであれば「141」、 デカポットであれば「150」といった具合である。そして、同じ軸配置の2種以上の機関車を231A、231B…という風にアルファベットを付けて分類しているというのが、一般的な理解であると思われるが、 SNCFの母体となった旧5大鉄道の機関車については、それだけでは不十分である。
 1938年に旧5大鉄道が統合されてSNCFが発足した際、上の法則に則って、その時点で各鉄道に所属していた機関車を、それぞれの鉄道を受け継いだ管理局ごと(!!)に、アルファベットを付けて分類したのである。 そのため各管理局ごとに、例えば231Aという全く違う機関車が存在することになったのである。
 231Aを例にとって更に説明すると、旧POに相当する南西(SUD-OUEST)管理局の231Aは、POの技師長であったA.シャプロンの手になる改造よって性能が飛躍的に向上したことで有名な、 いわゆるシャプロンパシの改造のネタになった古いパシのうち、統合時までに改造されずに残っていた機関車を指し、旧ETATに相当する西(OUEST)管理局の231Aは、 第一次世界大戦の戦時賠償によってフランスに持ち込まれた旧バイエルン王立鉄道のS3/6型および旧ヴュルテンベルク王立鉄道のC型を指す。また、その他の管理局では、 それぞれの旧鉄道時代に製造され、統合時に残っていた一番古いパシに231Aの形式が付けられている。そのため、どの管理局の231Aであるかを明確にしないと、目的とする機関車を特定できないのである。
 その特定のためには、各管理局ごとに付された管理局番号を明記する必要がある。機関車の前梁に、四角の枠つきで記載されたあの番号である。管理局番号は下記のとおり。
 1:東(EST)管理局(旧EST鉄道)
 2:北(NORD)管理局(旧NORD鉄道)
 3:西(OUEST)管理局(旧ETAT鉄道)
 4:南西(SUD-OUEST)管理局(旧PO-MIDI鉄道)
 5:南東(SUD-EST)管理局(旧PLM鉄道)
 6:地中海(MEDITERRANEE)管理局(旧PLM鉄道)
 例えばシャプロンパシのうち、1960年代後半までFleche D'orを牽引する等して活躍した231Eは北管理局に属する機関車であるため、 (その1)で記載したように2-231Eと標記する必要がある。単に231Eとしただけでは、他の管理局の、全く違う機関車が出てくる可能性があるのである。 ちなみにシャプロンパシは、NORDおよび本家のPOだけでなくESTでも採用されており、POのものは、改造の仕様の違いによって4-231Fおよび4-231Hに分類され、 ESTのものは1-231Cという形式が付されている。(2007.12.13記す)
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パシフィック231 [アーカイブ]

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パシフィック231 (その1)
 鉄道関係で、大阪市電と並んで好きなのが第三軌条方式の地下鉄と、そしてフランスの蒸気機関車、特にパシフィックである(脈絡がない^_^;)。 もっとも、パシフィック型の機関車(パシ)は国を問わず好みとする傾向があり、例えばドイツであれば、制式機関車では01のワーグナーデフ付き(それも、戦後東独でワーグナーデフの後半を切り詰めたタイプ)、 レンダーバーネンの機関車ではバーデンのIVh(183)あたり、イギリスではグレスレーのパシ、日本ではC51(特に鷹取工場仕様の前面傾斜デッキと長めのデフを付けたタイプ、 中でもパイプ煙突を付けたC517号機-プロイセンかザクセンの機関車のように見える-)、それにC53などは大好きな機関車である。しかし、なんといってもフランスのパシの個性は光っている。
 フランス国鉄(SNCF)は、それぞれ独自の路線を展開した5つの鉄道会社〔EST(東部)、NORD(北部)、ETAT(官設、もとOUEST-西部-)、PO-MIDI(パリ-オルレアン-南部)、PLM(パリ-リヨン-地中海)の各鉄道〕が、 1938年に統合されて成立したのであるが、それまでに各鉄道で作られた、特に1920年代以降の機関車の多くは、イギリス、ドイツ、日本、アメリカ等の機関車とは、ひと味もふた味も違った個性的な外観と、 優れた性能とを兼ね備えていた。
 そんなフランスの蒸気機関車であるが、現在、模型にはあまり恵まれていない。フランスの蒸気機関車をHOのマスプロ製品として販売していたJouefとRivarossiが倒産し、両社を引き受けたLimaも倒産してしまったためである。 現在、この三社とNゲージのArnoldを英国のHornbyが引き受けて、Hornby Internationalとして製品を出し続けてはいるが、往時の隆盛は見る影もない。
 いずれフランスのパシとワゴンリの客車、それにSNCFの客車を集めてFleche d'Or、Night Ferry等の有名列車を再現しようと考えていた私は、慌てて色々探し回ってみたが後の祭りであり、新車は既になく、中古で 下記の3両の機関車を入手できただけである。
 (1) 2-231E(Rivarossi)
 (2) 2-231K(Jouef)
 (3) 141R(Jouef)
 このうち(1)の2-231Eはネットオークションで入手したもので、3両の中では最も状態がよかったが、それでも、経年変化によってランボードがへろへろになっている上、ヘッドライトのカバーが、 電球の熱によって変形していた。また(2)の2-231Kは、知り合いの模型屋さんのウインドウに長年(おそらく10年以上)に亘って展示用として飾られていたものを、無理に頼み込んで、 ジャンク価格で譲ってもらったもので、西日が当たるウインドウに長い間おかれていた所為か、キャブと火室の付近が大きく歪んでしまっていた。さらに(3)の141Rは、中古品専門の模型屋さんから入手したもので、 転落事故にでも遭ったものか、片側のデフと、その内側の梯子が折れていた。この3両を並べてみると、まるで第二次大戦直後の、フランスのどこかの機関区の荒廃した様子を再現したようでもある(ただし141Rは、 戦後復興のため米国から輸入された機関車であるため、その当時は新車でなければならないはずであるが・・・)。今後、この3両を修復して、使えるようにしてゆく計画である。(2007.12.2記す)
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近鉄電車の形式について(その4) [近鉄]

(名古屋線)
名古屋線が、1959年に大阪線、山田線と同じ標準軌に改軌されると、同線に投入する新車の形式番号は、それまでのように狭軌線用の5000~6000番代に押し込める訳にはゆかなくなります。
そこで、名古屋線が大阪線国分以西と同様、あるいはそれ以上に平坦線であることから、大阪方区間車の枠で空いていた1600番代以降を名古屋線通勤車に割り当てることとして、まず1959年に、
モ1600型(奇数車)5両
ク1600型(偶数車)5両
のcM-Tcユニットが5本製造され、その後1964年までにさらに同じユニットが10本製造されます。
また1964年には、ク1600型がク1700型に改番されるとともに、増結用の単独電動車
モ1650型5両
が製造され、さらに1966年までに4両追加されるとともに、単独制御車
ク1750型2両
が増備されます。また1967年には、大阪線のトイレ付制御車ク1580型3両が、
ク1780型3両
として1600系に編入されます。(この項つづく)

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特急整備(その3) [近鉄]

先週の木曜日、在宅勤務をしているときに家に届いたのが
vista201.JPG

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特急整備(その2) [近鉄]

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以前、スナックカー第1編成の連結器は
https://ho-blog.blog.ss-blog.jp/2013-10-14-1

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特急整備 [近鉄]

来る鉄コレ第30弾、近鉄18200系の発売に備えて、実に7年ぶりに手持ちの近鉄特急の整備を再開。
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まずは

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いろいろな貨車 [N貨車]

最近、新入線の貨車を紹介。
〈レ12000〉
まずはTomixのレ12000。KATOと比べてみると、
貨車65.JPG

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ワム80000(その2) [N貨車]

車高を下げたKatoのワム80000(写真左)を、Tomixのワム80000(写真右)
貨車63.JPG
と比較。やはり

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