高架(その4)

　高架-第1回
　阪和線高架を見本として高架の工作を開始した。まず厚み2mmの低発泡塩ビ板で高架構造を組み立てた。

高架(その3)

　美章園の駅は、普通の高架駅とは違って高架構造の幅は広げず、外側へ鉄骨のトラスを張り出してその上にホームを載せている。

　ホームは国有化後に天王寺側に延長されており、オリジナルの部分と延長部分とでホームを支えるトラスの形状が異なっている。
　そして駅の下にも街は広がっている。東側は駅前(駅下?)商店街になっているが、ご他聞に漏れずシャッターが閉まっている店が多い。


　この後さらに北へ向かい、近鉄南大阪線の高架を潜って関西線南側の広い道(国道25号線の枝線)を越える架道橋に出た。この道の北側は既に天王寺駅構内である。

　ここから引き返して美章園に戻り、改札を通ってホームに出た。

　阪和電鉄以来の鉄骨製の架線柱が美しい。

　以上、この項終わり。

高架(その2)

　高架下の建物は、高架構造の間の空間を埋めるように建てられている。このことは下の写真からもよく判る。"183"という番号が書かれている色の薄い部分が高架構造で、それより色の濃い領域が建物の二階部分である。

　しかしこの写真のように高架構造と建物との境界線が見える部分は少ない。建物が高架構造よりも外側に大きくはみ出すように建て増しをされて、高架構造が全く見えなくなっている箇所の方が多いかも知れない。

　初期の建物は高架の柱より外側に出ないように建てられていたが、時を経るうちにまず一階部分が柱の外側へはみ出すように建て増しをされてその上に物干し台が設けられ、さらには二階部分も増築されたという経緯が推測される。

　建て増し部分は、建て増しされた時期、あるいは改修された時期によるものか、木、トタン板、モルタル等々、実にバラエティに富む材料で外装されている。

　この一見すると無秩序な建物の増殖の様子は、かつて天王寺区、浪速区に存在した通称"軍艦アパート"や、あるいは香港の九竜城などを彷彿とさせる。この見事な景観を観察しなが美章園の駅に向かった。(つづく)

高架(その1)

　小学校の二年生まで阪和線の美章園駅付近に住んでいた所為か、古い高架に郷愁を覚える（都会人ならでは？）。そこで尼港線の電車を載せる高架のセクションを作ることにした。
　関西で古い高架といえば、例えばJRでは旧城東線区間など、また私鉄でもいくつか挙げられるが、やはりその存在感の点で阪和線の高架が筆頭に挙げられよう。
　先日、模型化の参考にする写真を撮るため阪和線に乗り、美章園の一つ手前の南田辺で降りて北へ向かった。
　桃ケ池を過ぎると新旧の高架の接続箇所に出た。写真の螺旋階段より右が旧高架、左が新高架。

　この付近は新しい高架を接続する際に高架下の古い建物が撤去されようで、本来の高架の構造がよく観察できる。

　線路の西側には、阪神高速道路を通すために建物を立ち退かせた空き地が線路と平行に続いており、阪和線の高架を少し離れた位置から見わたすことができる。

　高架下の建物の多くは、高架東側の商店街に面する東側が表口で、高架西側は裏口にあたる。高架西側には、今では普通の町中でもあまり見かけない木造の物干し台などが残っている。

　中には廃屋になっていると思われる建物もある。

　ここからさらに北へ向かった。(つづく)