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パシフィック231 (その3) [アーカイブ]

 SNCFの蒸気機関車の形式について、さらに説明する。先にシャプロンパシの例を紹介したが、統合前の各鉄道間で車輌を譲渡したりすることは他にもあったようで、 例えばハリウッド映画「オリエント急行殺人事件(Murder on the Orient express)」においてオリエント急行を牽引したことで有名な旧POのテンホイラー(のちの南西管理局の4-230G)は、NORDおよびETATにも所属しており、 統合後に、それぞれ2-230Gおよび3-230Kという形式が付されている(当時仏領であったモロッコに送られたものもあるらしい)。また、第一次世界大戦の戦時賠償によってフランスに流入した旧プロイセンのテンホイラーP8は、 東管理局の1-230Fと北管理局の2-230Cになっている。
 PLMのパシについて
 旧PLMのパシの多くは、統合前の1934年頃から、統合後の1949年にかけて近代化改装が行われ、改装の仕様の違いによって231G、231Hおよび231Kに分類された。 そして、他局に先行した南東管理局の電化の進行に伴って各局に転属して行ったのであるが、その際に形式の変更は行われなかった。つまりこれらの機関車は、統合後に新製された制式機関車と同様に扱われ、 管理局番号は、純粋に、所属管理局を示すだけの記号となったのである。各形式の所属は下記の通り。
 231G:東(1)、北(2)、南西(4)、南東(5)、地中海(6)
 231H:南東(5)、地中海(6)
 231K:東(1)、北(2)
 ちなみに形式記号のアルファベットは、単純にAから順に付けられた訳ではない。"I(アイ)"および"J(ジェイ)"は"1(いち)"と見間違えやすいため欠番とされた。そのため、上のPLMパシの例でいえば231Hの次は231Kであり、 間に形式の抜けはないのである。また、統合後の制式機関車は"P"から始まっているが、"T"はタンク式機関車を表す記号であるため欠番とされている。(2007.12.22記す)
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