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Pacific 231 [BR極東局]

pacific231.jpg
 本来、私のホームページ"H.O.道楽室"
http://www002.upp.so-net.ne.jp/HO-douraku/index.html
の人気(?)コーナーであり、そこでは私の好きなフランスのパシフィックについて紹介するとともに、複雑怪奇なるフランス国鉄の蒸気機関車の形式の付与方法について詳細に説明している(興味ある方はぜひ一読を)が、今回、これも私の好きな英国LNER (London & North Eeastern Railway)のパシフィックについて紹介することを思い立ち、ブログの記事として立ち上げた次第。
 きっかけは、2008年に新製(!)されたLNERのパシフィックPeppercorn A1 "Tornado"の走りっぷりをYouTubeで見たことによる。
http://www.youtube.com/watch?v=baQmgn1bxuA
http://www.youtube.com/watch?v=_IDWp3CIdwI&feature=related
 何しろ凄い。古い図面をもとに一から蒸気機関車を新製すること自体がそもそも尋常でない上、その走りっぷりがまた半端ない。たぶん120〜130km/h位は出しているのではないだろうか 。もっともこの機関車だけでなく、建造から80年以上経つような本当に古い保存機関車も、英国ではほぼ同じくらいのスピードでぶっ飛ばしている様子なので、新製機関車であれば余裕で出せる速度なのかもしれないが…。
http://www.youtube.com/watch?v=wccaWmSEKWA&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=K5FKiamQh6U&feature=related
 プロトタイプは、4大私鉄(LNER, LMS, SR, GWR)が国有化されて英国国鉄(Britis Railway)となる直前にLNERが発注し、国鉄発足後に完成して配備された最後の急行用パシフィックで、形式A1が付与されたが、かの有名なSir Herbert Nigel Gresley設計のA1/A3パシフィックと区別するために、設計者Arthur Henry Peppercornの姓をとってPeppercorn A1またはA1 Peppercornと通称される機関車で、1948年から1949年にかけて49両が製造されている。
 この製造年と両数を見てピンと来られた向きもあろう。実は、我が日本国有鉄道が誇るハドソンC62と全く同じである。まあ単なる偶然であろうが、いずれの機関車も、蒸気時代の最末期に特急等の優等列車を牽引して最後の輝きを放ったという点では共通しているかもしれない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%89%84C62%E5%BD%A2%E8%92%B8%E6%B0%97%E6%A9%9F%E9%96%A2%E8%BB%8A
 このPeppercorn A1を、国立鉄道博物館に保管されていた図面をもとに、単純に復元するのではなく、オリジナルのA1が現役時代に抱えていた構造上の問題点を解決し、さらに英国の現在の法規制に合致するように安全上の配慮をも加えた上で新製したという。そのため車体番号も、オリジナルの49両の最終番号60162号のあとに追番されて60163号とされ、固有名(機関車に固有名があるのが英国らしい)も新たに"Tornado"と命名されている。
 しかもこの計画に公の機関は関わっていない。ボランティアグループがトラストを立ち上げ、スポンサーからの援助や個人の寄付を募って完成させたという。曰く、「一週間にビール1杯分(1パイント)の1.25ポンドをA1建造のために寄付しよう」と。
 結局、完成までに約20年の歳月と、6億円を超える額を要したらしいが、蒸気機関車の発祥の地という自負や愛着、産業革命以来培われた技術の積み重ねと伝統といったものがなければ、到底実現できなかったことに違いない。偉業と称えたい。Peppercorn A1 "Tornado"のホームページはこちら。
http://www.a1steam.com/
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