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近鉄電車の形式について [近鉄]

ブログなどでよく目にするのが「近鉄電車の形式が判らない」といった記載。そこで私なりに、近鉄電車の形式の流れの解説を試みます。まずは大阪線、そして改軌後の名古屋線系統から。
(大軌)
近鉄電車の形式が難解になっているそもそもの原因は、大阪電気軌道(大軌)、参宮急行電鉄(参急)が桜井線、参急線(現在の大阪線、山田線)用の車両の形式番号を、ぜいたくに使いすぎたことにあります。
すなわち大軌は、架線電圧600Vの奈良、橿原線車両と区別するため、架線電圧1500Vの桜井線の車両の番号を電動車:1000番台、制御車、付随車:1500番台に設定。新しい形式ごとに形式番号を100ずつ進めることとして、まず1929(昭和4)年の開業に際して、
デボ1000型8両
デボ1100型2両
を製造しますが、この2形式は搭載機器のメーカーが違うだけで実質的に同じ。普通なら連番にすべきところ。
次いで1930(昭和5)年に増備されたのが
デボ1200型4両
デボ1300型16両
の20両。両形式の違いは発電ブレーキの有無。
さらに1939(昭和14)年には、参急2227型と同系の車体を有する
デボ1400型16両
クボ1500型5両
を製造。
ここまでが大軌時代の車両ですが、僅か51両で、車両番号のうち1000番台~1500番台までを消費しています。
(参急)
一方の参急は、電動車:2000番台、制御車、付随車:3000番台に設定し、やはり新しい形式ごとに形式番号を100ずつ進めることとして、1930(昭和5)年の開業時に
デニ2000型8両
デト2100型4両
デ2200型27両
デトニ2300型8両
サ3000型17両
ク3100型5両
の57両を製造。
次いで1939(昭和14)年~1940(昭和15)年に
デ2227型20両
ク3110型5両
サ2600型1両
の26両を増備。このうちサ2600が形式規定に反しているのは、ご存じのように紀元2600年を記念した貴賓車であるため。
ここまでの83両で2000番台~2300番台、2600番台、そして3000番台~3100番台が使用済みに。
しかし大近鉄が成立し、戦後の復興輸送期に入ると、番号不足が一気に表面化します。(この項つづく)

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