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電圧の壁 [阪急]

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阪急2000系のN化を検討していて思い至ったのが、関西の大手私鉄が少なからず影響を受けた電圧の壁。
すなわち1967年の阪神、阪急から1969年の近鉄奈良、京都、橿原線系、1973年の南海、そして1983年の京阪まで、関西私鉄が次々と実施した、架線電圧の、600Vから1500Vへの昇圧。
この昇圧で、多くの車両が影響を受けました。
阪急2000系の場合は、1967年の昇圧の際に、オートカー(電子頭脳電車)の愛称の由来となった定速運転機能と、電力回生機能を失い、外観上は、M車の2個パンタが1個に減らされてしまいます。そのためN化をする場合、どの時代を選ぶかが課題となります。
ちなみに京阪では、昇圧を機に2000系が廃車となり、その車体や台車、機器類を流用して、スーパーカーほど高加減速でない2600系が製造されます。この背景には、複々線化区間の延長など、路線の整備が進んでさほどの高加減速が要求されなくなったことが挙げられます。
一方の阪神は、京阪ほど路線を改良する余地がなく、昇圧後もジェットカーの高加減速を利用した運用を続ける必要があったため、ジェットカーの高加減速性能は温存されますが、昇圧準備をしていなかった車両はすべての機器類を入れ替えています。

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Take-Zee

こんばんは!
昇圧で使えなくなった車両はそのもサハ・クハに
なったものが多いです。

by Take-Zee (2020-12-06 18:57) 

hideta-o

Take-Zeeさま
関西の私鉄は、サハ、クハをけん引する新たな電動車を昇圧に備えて増備する余裕がなかったことと、もともと電動車の比率が高く(たとえば阪神などは殆どが電動車でした)、サハ、クハをたくさん組み込むことを考えていなかったことから、昇圧時には、機器を新製して古い電動車を昇圧後も使ってました。
by hideta-o (2020-12-08 10:28) 

hideta-o

nice!をいただいた皆様、ありがとうございます。
by hideta-o (2020-12-08 10:28) 

青い森のヨッチン

昇圧問題は関東の私鉄ではあまり聞いたことが仁野で関西特有の事情なのですね
関東私鉄では直通運転による改軌くらいしか大きな問題はなかったと思います同じ形式でも時代によって外観が変わってしまうのはマニアでないと気が付きませんね(型式番号は変更なく改造されていればの話)
by 青い森のヨッチン (2020-12-08 11:44) 

hideta-o

青い森のヨッチンさま
おそらく関西の私鉄が昇圧をしたのが、複雑な制御回路を有する高性能車の登場後で、昇圧改造に様々な困難を伴ったからだと思います。これに対して関東では、たとえば京急本線が1947年、京成本線が1951年、東横線が1952年と、旧型車ばかりで昇圧改造が簡単だった時代にそれぞれ昇圧していますので、あまり話題にならなかったのかもしれません。また京王線は、高性能車の登場後の1963年に昇圧していますが、都営地下鉄との相互乗り入れと同時だったため、これもあまり話題にならなかった可能性がありますね。
by hideta-o (2020-12-08 15:35) 

Cedar

遅コメ失礼します。関東では仰るように京王が昇圧遅れましたが、都営地下鉄との乗り入れはずっと後で、昇圧時は新車5000系の特急運転が目玉でした。600Vの高性能車は2000、2010でしたが、これは昇圧を考慮した設計になっていました。
by Cedar (2020-12-24 23:04) 

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