国鉄バス(その4)

先にご紹介した
https://ho-blog.blog.ss-blog.jp/2020-07-15
東名ハイウェイバス744型につきまして、大まかな流れが掴めましたのでご報告します。
・744-9901
弁天町の交通科学博物館に展示され、その後、西日本ジェイアールバスに引き取られて、同社の京都営業所で保存されている、正真正銘の東名ハイウェイバス第１号。シャーシの形式は三菱ふそうB906Rで、車体の形式は富士重工R13。年式1969年。
トラックやバスの出力が300psに満たなかった当時、国鉄が要求したエンジン出力は、過給器なしの自然吸気で320ps以上。
それに対して三菱ふそうは、200psのV型6気筒エンジンを2つ連結した、公称出力350ps、実出力400ps以上とも言われる12DC20型ディーゼルエンジンを開発し、B906Rに搭載して、国鉄専用形式として採用されています。
1969年の37台に始まって1973年までに計62台が製造されましたが、この台数は、国鉄の要求に応じて国鉄専用形式の開発に乗り出した、いすゞ、ふそう、日野、日産ディーゼルの大手4社の中で最多で、文字通り東名ハイウェイバスを代表する車種となりました。
客席最前部の窓(1窓とします)が車体の左右とも引違窓になっている以外は固定窓で、とくに運転席の窓と車体右の1窓が2つ連続して引違窓でそのうしろは固定窓という外観が特徴的。
形式称号の詳細は下記のとおり。
7：高速道路用
4：コーチ形　リクライニングシート
4：ふそう製
｜
9：年式　西暦下一桁　この場合は1969年式
9：クーラー付き空気ばね車
01：固有番号
・744-4906

前回紹介したバスコレ　東名ハイウェイバス50周年記念セットの一台。排ガス規制の関係で、エンジンを自然吸気V型10気筒OHVの10DC6型ディーゼルエンジンに変更したもの。三菱ふそうのシャーシ形式はMS504Q。年式1974年。
10DC6型エンジンは先の12DC20型より小型化されていますが、1974年から製造された38台のMS504Qは、B906Rよりもさらに出力が増強され、公称出力375ps、実出力400psとも420psとも言われるモンスターマシン。
しかもエンジンが小さくなった分、車内に余裕ができたことから、ドリーム号用として使用するため客室窓を、車体左側、出入り口すぐ後ろの1窓を除いて固定窓としています。
製品の744-4906号は、1974年に10台製造されたMS504Qの初期ロットのうちの6号車で、行先表示は「特急　静岡駅」。
ドリーム号仕様車は、夜間は東京⇔名古屋・京都・大阪、そして昼間は東京⇔静岡や大阪・京都⇔名古屋の間合い運用と、昼夜問わず走り続けるというきわめて過酷な条件で使用されたらしいのですが、その間合い運用を再現しています。
この6号車は好調車だったらしく、上記のような過酷な条件で使用されたにも拘らず1987年の国鉄の分割民営化まで第一線で活躍しています。
・744-0913

744型の増備はその後も続きますが、300psの8DC6エンジンを搭載した中国自動車道用の、窓一つ分車体の短いB907Nであったり、MS504Qであってもエンジン出力がB906Rと同等の公称350psに戻されたり(それでも、とんでもない大出力ですが・・・)しています。また、いずれも昼行車で、すべての客室窓が引違窓になっており、比較的短距離用でトイレのない車も製造されています。
そして1980年度導入の昼行車から、排ガス規制などの関係で形式がK-MS504Rに変更されています。
製品は、バスコレ第8弾の通常品で、この1980年増備車のうち13号車を再現したもの。行先表示は「特急　名古屋」です。
・744-1912
1981年度に導入された、1974度車以来、久しぶりのドリーム号用車で、左右の1窓を含むすべての客室窓が固定窓になっています。
製品は、バスコレ第8弾のシークレットで、1981年度導入の12台のうちの最終号車。行先表示は「ドリーム号　東京駅」ですが、シークレット品は価格が高くなりすぎて私は入手できませんでした。ですので、写真はありません。
・その後
1969年度車に始まったR13車体の744型の製造は1982年度で終了し、1984年度からはシャーシ、車体とも一新されています。
なお、この記事を書くにあたってはJNR BUSさんのブログ「国鉄バスカタログ」のこちらの記事
https://ameblo.jp/jnrbus/entry-12499629622.html
https://ameblo.jp/jnrbus/entry-12499629628.html
を大変参考にさせていただきました。ありがとうございました。

コメント 3

国鉄は民営化されたけど国鉄バスはまだ走ってるの？。
by 旅爺さん (2020-07-21 17:50) 

旅爺さんさま
国鉄バスは、国鉄の分割民営化にともなって国鉄よりも細分化され、各ジェイアールの傘下のジェイアールバスとして、細々と営業しているようです。また不採算路線は地域の自治体に移管されるなどして、ばらばらになってしまいました。高速バスはそれなりに活況ではあるようですが・・・。

by hideta-o (2020-07-22 08:43) 

nice!をいただいた皆様、ありがとうございます。
by hideta-o (2020-07-22 08:44)