消えた神の顔 [いまさら読書]
もう何度読んだことか。高校生の時に出会って以来、時々、光瀬龍の世界に浸りたくなることがあるのですが、かといって「百億」などの長編を読むのは骨が折れるため、そんな時にはこの「消えた神の顔」などの短編集を読むことにしています。
この作品集の中で一番好きなのが「二十年前、新宿で」。これが果たしてSFなのかどうなのか、疑問が残るところですが、かなたの平原から馬に乗ってやってくる阿無寧が、私には「百億」の阿修羅王を思わせます。
「百億」といえば表題作の「消えた神の顔」も、ナザレの男の話のパラレルワールドといった趣があります。
タイムパトロール物2作「飛び加藤を斬れ!」「それは元禄十五年か、それとも十六年か」も光瀬らしいですね。
あとは「私のUFO」。読んでいてなぜか心がざわつきます。
心がざわつくといえば「天の空舟忌記」。兎園小説に採録されて有名な「虚舟」の逸話をもとにしたお話ですが、その兎園小説などの挿絵が、いまもSFファン、オカルトファンの心をざわつかせます。
http://www.archives.go.jp/exhibition/summerpopup/sum001_1.html
http://gakkenmu.jp/column/8030/
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/2a/Utsuro-bune.jpg
どうみてもUFOですが、この挿絵が、UFOなんていうものが全く知られていなかった江戸時代に描かれたことがその原因。
そして私の心をさらにざわつかせるのが、これがなぜ「舟」と認識されたかということ。どう見ても普通の舟には見えないのに、曲亭馬琴たちはどうしてこれを「舟」と思ったのでしょうか・・・。
2019-10-02 22:39
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コメント(3)
ソレイユさま
xml_xslさま
@ミックさま
トーガさま
鉄腕原子さま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-10-05 16:34)
ネオ・アッキーさま
hanamuraさま
あおたけさま
newtonさま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-10-05 16:35)
常武鉄道さま
ぷっぷくさま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-10-06 21:53)