四条河原町の戦：四丁目電気軌道：SSブログ

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四条河原町の戦　[そうだ京都…] [編集]

　これまで阪急電鉄は、小林一三の個人的な資質である「我関せず」を受け継いだのか、外部から干渉を受けない限り、自ら積極的に外部に働きかけることはありませんでした。
　しかし近年の、神戸高速鉄道への乗り入れ廃止を伴う神戸地下鉄への乗り入れ計画や、新大阪駅アクセス路線への再挑戦計画、伊丹空港へのアクセス新線計画、さらには十三から梅田北ヤードへ狭軌新線を建設してなにわ筋新線（JR、南海）と繋ぐ計画などをみていますと、阪急の方針が、これまでの守勢から攻勢に転じたように思われます。
　長年のライバルであった阪神電鉄を傘下にして、実質的に京阪神間の鉄道の盟主となったことと関係しているのは、まず間違いないでしょう。
　まぁ、今日の話題はそこまで大きな話ではないのですが、先日、所用で京都に行って、京都随一の繁華街である四条河原町で気が付いたことを。
　阪急百貨店が、京都の厚い壁に跳ね返されて四条河原町の交差点から撤退を余儀なくされたことは、以前に
http://ho-blog.blog.so-net.ne.jp/2016-07-02
ご紹介したとおりですが、それならば本業で、ということでしょうか、気づかない間に、阪急電鉄の静かな反撃が始まっていたようです。写真をご覧ください。
　まずは交差点南東の、以前に阪急百貨店が入っていた京都住友ビル。

　今もビルの側面には、「阪急電鉄のりば」の文字があります。

　続いて北東のコトクロス阪急河原町ビル。

　ここは以前、「京阪特急」の看板が掲示された古いビルが建っていたところですが、阪急が土地を入手して新しいビルに建て替えたもの。阪急電鉄の経営で、ビルの正面には阪急河原町駅の文字。ビルの地下から阪急河原町駅にアクセスできます。
　こちらは北西の眼鏡市場京都河原町本店。

　阪急と資本関係はなさそうですが、やはりビルの正面には阪急河原町駅の文字。
　つまり交差点南西の京都タカシマヤ（高島屋京都店）

以外の3つの角は、すべて阪急によって押さえられています。
　京都の人なら「阪急はん、えらい景気のおよろしいことで。」などと言って、阪急の出しゃばりすぎを揶揄するところでしょうが、いずれにしろ阪急の四条河原町奪還作戦は着々と進行しつつあるようです。
　南西角の孤塁を守る高島屋は、恰も最後の砦といった感がありますが、その高島屋も、じつは京都の壁に跳ね返された過去があります。
　敦賀出身の初代飯田新七が、近江商人である飯田家に婿養子に入り、天保2(1831)年に古着商「髙島屋」を創業したのは、ここではなく烏丸松原。その後、烏丸高辻に移転し、さらに四条河原町に現在の京都店の前身である「マーケットセンター」を設立したのは、ずっと時代が下がって、第二次世界大戦後の1946年。
　京都の長い歴史からすれば、江戸後期に開業した高島屋自体がよそ者であり、しかも四条河原町界隈では全くの新参者でした。そのため、高島屋の土地買収は難航し、結局、四条河原町の南西角の一角の土地を手に入れることはできませんでした。今もその一角には、高島屋とは関係のない小さい古いビルがあって、高島屋の外観を損ねています。