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近鉄京都 [大ターミナル主義]

 秋のお彼岸で京都へ墓参りに行ったついでに近鉄京都駅を見てきました。
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 この駅は、近鉄京都線の前身である奈良電気鉄道が昭和3年(1928)の天皇即位の礼に間に合わせるべく国鉄京都駅の南側に設けた仮駅(本駅は国鉄京都駅の地下をくぐって七条側に設ける予定であったらしい)を前身とし、昭和39年(1964)の新幹線開業に合わせてその前年に高架の新幹線京都駅と一体
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に建設されたものです。その後、2007〜2012年にかけてリニューアルされています。ただ駅を出てすぐの線形は仮駅時代と変わらず、今も電車は急カーブを切って駅に出入りしています。
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 リニューアルにより、それ以前は3線であったものが線増されて6連対応の4面4線、頭端式のホームを備えたより一層立派な駅となり、1、2番線からは橿原神宮方面、伊勢方面、奈良方面へ向かう特急がひっきりなしに発車しています。
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 しかしこの駅は私が考える大ターミナルの要件を2つも満たしていません。つまり完全に国鉄(JR)の駅と一体
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で駅名も同じであり、しかも百貨店も備えていません。
 この理由はこの駅が、京都線の沿線住民に対する京都側のターミナルとしてではなく、新幹線で京都までやってきた観光客を特急で近鉄線内に取り込むための接続駅としての機能を中心にして設計されているためと考えられます。
 そのため駅の改札口は新幹線の中央口と向き合って設けられています。
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 また百貨店を設ける代わりに今回の改装で、駅上には立派なホテル近鉄京都駅も開設されています。
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 また歴史的に考えればこの駅を造った奈良電気鉄道が、天王寺駅阪和線ホーム
http://ho-blog.blog.so-net.ne.jp/2009-03-27
を造った阪和電気鉄道や、天神橋駅
http://ho-blog.blog.so-net.ne.jp/2010-07-28
を造った新京阪鉄道と同じく、あの京阪電気鉄道
http://ho-blog.blog.so-net.ne.jp/2012-04-21
の息のかかった鉄道であったことも、この駅にターミナル的要素が少ないことの原因の一つかもしれません。この3駅のいずれにも百貨店はありませんし、天王寺駅は国鉄→JRの天王寺駅に寄り添うように設けられています。
 近鉄京都駅を見学したのち、久しぶりに新快速の快走ぶりを楽しむためにJR京都駅へ。
 京都駅のホーム上には、おそらく明治時代以来の木造のホーム上屋が所々に残されています。
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 そのうち4、5番線ホーム上屋のディテール
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を撮影したあと新快速に乗って大阪へ。大阪駅のホーム上にも、この駅が高架化された1934年以来の上屋の痕跡が残されています。
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 構造上、必然的にそうなるのかもしれませんが、なんとなく京都駅の上屋と形が似ています。
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