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塗装 [電車区]

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 鉄道模型の車両をスクラッチビルド、キットメイク、あるいは既製品の改造などで自作する場合、車体の塗装は、今も数十年前と変わらず有機溶剤を使用したラッカー等の吹き付けに頼っているのが現状である。ところが昨今の住宅事情等を鑑みるに、これほど家族に迷惑をかけ、かつ近所迷惑な塗装方法はない。先日もサハ78109(「失敗」の記事を参照されたい)の塗装をしていてカミさんに叱られた。しかも、多量の有機溶剤を使用した塗装は作業者の健康にも悪影響を及ぼし兼ねない。
 ここ数年、鉄道趣味への一般社会の理解が漸く深まりつつあるが、鉄道模型については、あくまでも塗装済みの完成品を買ってきて走らせるといった程度の、言わば初歩の初歩の門戸が広がりつつあるだけに過ぎない。
 市販されていない車両を何らかの手立てで自分のものとすること(そしてそれを自慢すること)こそが、鉄道模型の王道の一つであろう。しかしその自作の工程に、かかる旧態依然とした塗装の工程が含まれていることは、今後の鉄道模型の普及、発展にとって重大な障害ともなり兼ねないと真剣に危惧している。
 自分の工作室があって換気ができる塗装ブースを完備していたとしても(うらやましい!)、有機溶剤とその臭いが、換気扇を通って屋外に排出されて近所迷惑の原因になることに変わりはない。
 近年、プラモデルの世界では、塗装の問題を解消するために、ほぼ無臭でしかも有害な有機溶剤を殆ど含まない水性の塗料が普及しつつある。
 ただし、水性の塗料は塗膜が弱いという問題がある。プラモデルは、一度完成すると陳列ケース等に飾ってそれ以降は殆ど手で触れることがないため、塗膜の弱さはさほど問題にならないが、鉄道模型は完成後も編成したり走らせたりするたびに頻繁に手で触れるため、塗膜の弱さは剥離などの深刻な問題の原因ともなりかねない。
 しかし、何もしないで手を拱いて見ているだけという訳にも行かない(未塗装の車両がたまってきている)ため、ボークスが輸入しているスペインのファレホという水性塗料を試してみることにした。
 まずモハ72500台の屋根板で試すことにし、日本橋のボークスのショールームへ。
 当然ながら鉄道専用色は市販されていないため、色見本として持っていったTomixモハ72の屋根板と色合わせをして良く似た濃いグレーの1色(#164)を選んだ。また、混ぜると塗膜を強くするらしい専用シンナー(といっても「シンナー」という言葉から想像する強烈な臭いはない)、塗装後に重ねて塗膜を保護するトップコート、そして屋根板の幅を塗るのに適した筆を購入した。

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