南海なんば

　南海電気鉄道　なんば駅
　御堂筋の南の突き当たりに位置し、御堂筋北端の阪急梅田駅と好一対をなしているのが、関西私鉄の大ターミナル主義を象徴する壮麗な駅ビルを擁する南海なんば駅である。

　南海本線、高野線合わせて9面8線、10連対応の駅は、その大きさとともに、かつて駅西側にあった大阪球場を避けて駅導入部が曲線を描くように建設されていることもあり、全体像を1枚の写真に収めるのが難しい。今回もチャレンジしてみたが、うまく行かなかった。

　　先に、この南海なんば駅が阪急梅田駅と好一対をなすと書いたが、実はミナミの代表として、キタの3駅(阪急梅田駅、阪神梅田駅、JR大阪駅)の全てに対峙する存在なのかもしれない。
　例えば1964(昭和39)年には、南海ホークスと阪神タイガースとの間で日本シリーズが戦われ、それに勝利した南海ホークスが、阪神梅田駅前から南海なんば駅前まで、御堂筋を優勝パレードしている。
　またキタのJR大阪駅に対するミナミの南海なんば駅を、南北の位置関係こそ逆であるが、New YorkのPennsylvania鉄道 (PRR) Pennsylvania駅に対するNew York Central鉄道(NYC) Grand Central駅に比定できるようにも思われる。

　そして南海なんば駅には、NYCのフラグシップトレインたる20th Century Ltd.の牽引機として名高いJ3a型ハドソンに良く似た前頭部を持つ特急ラピートが、日々発着しているのである。