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ワムとワラ [N貨車]

貨車74.JPG
ワラ1は、ワム60000の全体構造を踏襲しつつ車体寸法を拡大するとともに、内装材を薄く、かつ外板と内装材との隙間を小さくすることで、ワム60000の積載量15tより2t大きい積載量17tを達成した、汎用有蓋貨車の最終形態といえるものです。
ただ、ワム60000とワラ1の車体寸法の差は、長さが190mm、幅が101mm、高さが70 mmで、Nスケール(1/150)に換算すると長さが約1.3mm、幅が約0.7mm、高さが約0.5mmとごく僅かですので、共通の車体を使用して標記のみ違えるというのも、車体の小さいNゲージでは妥当なやり方とも言えます。それを今回、あえて新型を作製してまでスケール通りのワム60000を製品化されたTomixさんには拍手を送りたいですね。
ところで、実車のワラ1の製造に際して国鉄は、上記のように車体寸法の差が極めて小さかったことから、ワム60000の類似車であるとして、本来、行うべき配備前の実車試験を省略してしまいましたが、このことが、後になってツケとして戻ってくることになります。
1963年11月9日21時40分頃、品鶴線を走行していた、EF15牽引の45両編成の貨物列車の、後から3両目のワラ1が、鶴見と新子安の間の滝坂不動踏切付近で突然、脱線して、後続の2両とともに隣接する東海道線上り線を支障。そこへ、同線を走行してきた横須賀線上り電車が衝突し、先頭のクハ76が東海道線下り線側に飛び出すように脱線して、丁度すれ違おうとしていた横須賀線下り電車に突っ込み、多数の死傷者を出します。いわゆる鶴見事故です。
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009030054_00000
ワラ1の脱線原因は、軽積載時に激しいピッチングを生じる特性があったのを、上記のように配備前の実車試験をしなかったため、見逃していたことにあると言われています。


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コメント 7

Take-Zee

こんばんは!
一生懸命に型式を覚えたもんですが・・
すっかり忘れてしまったようです・・・(>:<)

by Take-Zee (2021-01-29 17:53) 

YUTAじい

おはようございます。
こちらこそよろしくお願いします
by YUTAじい (2021-01-30 06:04) 

hideta-o

Take-Zeeさま
ご訪問ありがとうございます。私は昔から、「人間は忘れることで進化する」という言い訳をよくしています^_^;
by hideta-o (2021-01-31 08:44) 

hideta-o

YUTAじいさま
ご連絡ありがとうございます。よろしくお願いします。
by hideta-o (2021-01-31 09:01) 

hideta-o

nice!をいただいた皆様、ありがとうございます。
by hideta-o (2021-01-31 09:02) 

サットン

ご無沙汰しております。
鶴見事故の記述を読んでいてハッとさせられました。てっきり鶴見駅構内が現場だと思っていましたが、ずいぶん新子安寄りだったみたいですね。私かつて現場近所の線路沿いに部屋を借りていたのですが、そんなこととは知りませんでした。迂闊でした!
by サットン (2021-02-06 00:29) 

hideta-o

サットンさま
ご訪問ありがとうございます。今も事故現場には慰霊塔が安置され、またご遺体を収容した総持寺では、事故の日に法要が行われているようです。
by hideta-o (2021-02-06 16:15) 

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