特急メラード号？

　特急メラード号なるプラキットを入手した。

　箱絵の色は変だが、車体前面に堂々と"MALLARD"と書いてある(！)ので、A4マラード号であることは間違いない。
　頭痛薬ノーシン（荒川長太郎合名会社！）の販促用として無料で配布されたらしいが、こんなマニアックなキットが、果たして市販薬の販促に役立ったかどうかは判らない。
　また、もとをただせばその昔、童友社が発売していたミニチュア鉄道シリーズの１つであったらしいが、昭和の子供たちにマラード号がどれだけの知名度をもっていたかも不明である。

　いかにも昔のプラモデルらしい雑な造りで、細かいディテールなども一切ないが、A4のプロポーションはほぼ的確に再現されている。縮尺はおよそ1/160といったところか。

　今のところ、ネット上でこのキットを組み立てたという記事を見かけないので、ネット一番乗りを目指して未塗装ながらも組み立ててみた。

　組み立てて気が付いたのだが、Nゲージの元祖とされる英国LoneStar社製の、ダイキャスト製のA4と造形が非常によく似ている。ロッド類を一枚の板で表現しているところや連結器が輪になっているところ、そしてキャブの窓が抜けていないところなどはそっくりである。おそらく、LoneStarのダイキャストモデルを見ながら金型を起こしたのであろう。
　そうすると、付属のレールの軌間が9ｍｍではなく、初期のLoneStar社と同じ8ｍｍ強であることも頷ける。縮尺は1/152か。
　あまりのそっけない仕上がりにいろいろ手を加えたくなってくるが、他の作業がいっぱい滞っているので、童友社、LoneStar社、そして荒川長太郎合名会社に敬意を表してそのまま置いておくことにした。