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ウエストウッド・ジャンクション脱線事故 [BR極東局]

サー・ナイジェル・グレズリーの指導のもと、LNERが1929年に1輌のみ試作した、ヤーロウ式水管高圧ボイラを備えた4気筒複式、車輪配置4-6-2-2のW1形機関車No.10000 (Hush Hush)は、思ったほど高圧ボイラによる効率向上の効果が得られなかったため、1936年には、早くも車輪配置はそのままでボイラを通常の煙管式に載せ替えるとともに、単式3気筒式とした、A4パシフィックとよく似た機関車に改造されてしまいます。
改造後は、従輪が多い分、死重が大きいもののA4とほぼ同等の機関車として、A4とともに使用され続け、国有化時にもNo. 60700に改番されて生き残ります。
しかし1955年9月1日、旅客列車をけん引してピーターバラを出発したNo. 60700は、ウエストウッド・ジャンクションに差し掛かったところで突如脱線、転覆します。
駅を出てすぐで、時速20マイル(≒32km/h)程度と速度が低く、大惨事に至らなかったことは幸いでしたが、その後の事故調査で、走行中に先台車の台枠が突如破断したことが脱線の原因であることが判明します。
W1は試作車のため、LNERのもう少し小型の機関車(B17:車輪配置4-6-0)用の先台車をそのまま流用しており、それに長年の使用で亀裂が発生して破断に至ったものと推測されました。
脱線後のNo. 60700は工場に回送され、修繕を受けて、さらに1959年まで使用されたのち、廃車されています。
ここで気になるのが、最近世間を騒がせている、南海電鉄の50000系"ラピート"の台車の亀裂のこと。南海電鉄と、台車の製造メーカである日本製鉄は様子見を決め込んでいるようですが、重大事故を引き起こすのではないかと心配でなりません。
LNER W1についてはこちら

ウェストウッドジャンクション脱線事故の調査報告はこちら
http://www.railwaysarchive.co.uk/documents/MoT_Westwood1955.pdf

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コメント 5

まぢにゃん

W1の脱線事故からラピートの一件 。
うーん、どんな展開になるかと思ったら、そのオチですか。(笑)
相変わらず面白いですねー!

いやいや、ラピート はたまに利用するのでその後が気になりますよね。
by まぢにゃん (2019-08-31 06:57) 

hideta-o

芝浦鉄親父さま
mayuさま
鉄腕原子さま
スーおばさんさま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-08-31 16:15) 

hideta-o

常武鉄道さま
xml_xslさま
@ミックさま
kooさま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-08-31 16:16) 

hideta-o

いっぷくさま
川崎工場長さま
やまびこ3さま
Edyさま
nice!ありがとうございます。
by hideta-o (2019-08-31 16:17) 

hideta-o

まぢにゃんさま
ご訪問ありがとうございます。台車が破損すれば重大事故につながるということを、鉄道会社も製造メーカーもしっかり認識しおいてもらいたいものですね。
by hideta-o (2019-08-31 16:19) 

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