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MINITRIX A4?(その3) [BR極東局]

 しかし、そのまま組んだのでは面白くない。出来の良いDapolのA4がある以上、見劣りするだけである。そこでA4によく似たLNERのW1を作れないかと考えている。

 W1は、A1/A3を成功させたNigel Gresleyが、さらなる低燃費化、高効率化を目指してP2やA4の前に1両だけ試作した機関車である。
 目的のためにGresleyが目を付けたのが、当時、水雷艇や駆逐艦において広く用いられていた、高圧を出せる水管式のボイラ(蒸気機関車のボイラの多くは煙管式)で、ヤーロゥ式水管ボイラで有名なスコットランドのヤーロゥ社に、機関車に搭載できる水管式ボイラの設計、製造の話を持ちかけたのが1924年である。
 ところが船舶としては小型の水雷艇用のボイラといえども、機関車に載せるには巨大すぎたため、新たに機関車用としてさらに小型の水管式ボイラを設計し、製造するのに時間を要した。また缶圧が通常の蒸気機関車用より大幅に高かったため、真空ブレーキなどの計器類も新たに設計しなおす必要があり、結局、完成したのは1929年であった。
 出来上がった機関車に固有名は付与されなかったが、誰言うとはなく"Hush-Hush"(秘密の...)なるあだ名がつけられた。組み立てに際し、外部に見えないように覆いをかけていたためとも、ライバルLMSの路線上を搬送する必要が生じた部品に覆いをかけていたためともいわれる。
 また、小型化したとはいえ建築限界ギリギリの太いボイラを備えた姿は極めて印象的であり、その印象から「走るソーセージ」と呼ばれることもあった。
 下回りは、複式4気筒とされたこと以外は基本的にA1/A3と同じであったが、巨大なボイラを支えるため、従輪を2軸に増やして軸配置は4-6-4、英国で最初で最後のハドソン(テンダ式として)となったのが外観上の大きな違いである。尤も、従輪は1軸ずつ別個に支持されており、実際の軸配置は4-6-2-2であったらしい。
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