参考資料(その3) [BR極東局]
再び資料紹介。
(1)「英国鉄道物語」新版 小池滋著、晶文社刊、2006年
これまで紹介した英国の鉄道に関する書籍の多くが、この本をお手本にしたことを明らかにしている。つまりこの本が、日本における英国鉄道関連の書籍の原典ということになろうか。
しかも後発の書籍の多くが絶版となる中、この本は版を重ねて、今も発行され続けている。2006年には上のように新版も出されているが、私はあえて、原典を求めて旧版を購入した。
内容は4部で構成され、第1部はマンチェスター−リバプール間鉄道の開業当日に発生した死亡事故から説き起こして、19世紀イギリスの文化の中で鉄道がどう捉えられ、それがどのように変化していったかを、文豪ディケンズの著作などもとに解説されている。このあたりは、英文学者としての小池滋先生の面目躍如といったところが。
第2部ではロンドンに存在する鉄道ターミナルの歴史、また第3部ではロンドンの地下鉄の成り立ちが、それぞれ様々なエピソードとともに紹介されている。
そして第4部は、推理小説と鉄道の関係について。シャーロック・ホームズシリーズなどの初期の推理小説が、当時増加しつつあった鉄道を利用した通勤客の、通勤の間の時間つぶしのために生まれたとは知らなかった。
そんな19世紀から20世紀中葉にかけての推理小説の中から、鉄道に関するものがいくつか紹介されている。しかし、いずれも謎を提示するだけで結末は書かれていない(あたりまえ!)ので、気になって仕方がない。とくに気になったのがマイケル・ギルバート作「ダックワース氏の夜の外出」に出てくる"Get Herring Jam"(ニシンのジャムをどうぞ)である。(この項続く)
(1)「英国鉄道物語」新版 小池滋著、晶文社刊、2006年
これまで紹介した英国の鉄道に関する書籍の多くが、この本をお手本にしたことを明らかにしている。つまりこの本が、日本における英国鉄道関連の書籍の原典ということになろうか。
しかも後発の書籍の多くが絶版となる中、この本は版を重ねて、今も発行され続けている。2006年には上のように新版も出されているが、私はあえて、原典を求めて旧版を購入した。
内容は4部で構成され、第1部はマンチェスター−リバプール間鉄道の開業当日に発生した死亡事故から説き起こして、19世紀イギリスの文化の中で鉄道がどう捉えられ、それがどのように変化していったかを、文豪ディケンズの著作などもとに解説されている。このあたりは、英文学者としての小池滋先生の面目躍如といったところが。
第2部ではロンドンに存在する鉄道ターミナルの歴史、また第3部ではロンドンの地下鉄の成り立ちが、それぞれ様々なエピソードとともに紹介されている。
そして第4部は、推理小説と鉄道の関係について。シャーロック・ホームズシリーズなどの初期の推理小説が、当時増加しつつあった鉄道を利用した通勤客の、通勤の間の時間つぶしのために生まれたとは知らなかった。
そんな19世紀から20世紀中葉にかけての推理小説の中から、鉄道に関するものがいくつか紹介されている。しかし、いずれも謎を提示するだけで結末は書かれていない(あたりまえ!)ので、気になって仕方がない。とくに気になったのがマイケル・ギルバート作「ダックワース氏の夜の外出」に出てくる"Get Herring Jam"(ニシンのジャムをどうぞ)である。(この項続く)
2012-11-30 21:51
nice!(0)
コメント(0)
コメント 0