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参考資料(その2) [BR極東局]

 再び英国型の参考資料を紹介。
(1)「イギリスの鉄道のはなし」高畠潔著、成山堂書店、2004年

 著者は、青年の頃に最末期の英国の蒸気機関車を実際に見られた経験から、英国の鉄道の歴史や、特に全盛時代の美しい蒸気機関車の姿や数々のエピソードに魅せられたという。実質上、次の(2)の本と合わせて2冊シリーズの前編に相当するこちらの本では、19世紀末の第一期鉄道黄金時代に、首都ロンドンから大ブリテン島を北上してスコットランドのエディンバラ、そしてアバディーンに至る2つのルート間で繰り広げられた「北への競走」、それ以前、19世紀前半から中盤にかけての時期に勃発した、ブロードゲージと標準軌との「ゲージ戦争」などのエピソードが紹介されている。表紙、裏表紙、口絵、そしてページ中ほどに掲載された、私鉄各社の蒸気機関車の塗装を紹介するイラストが美しい。

(2)「続イギリスの鉄道のはなし」高畠潔著、成山堂書店、2005年

 2冊シリーズの後編にあたるこちらの本では、20世紀に入り、Big Fourの成立によって現出した第二期鉄道黄金時代に次々と世に送り出された、LNERのA3、A4など、各社の名機関車達のエピソード、ブロードゲージの車両の図面集、英国の鉄道にまつわる謎、そして日本の鉄道の黎明期にお雇い外国人として日本の鉄道の発展に貢献した英国人たちの物語などが綴られている。やはりこの本でも、表紙、裏表紙、そして口絵に描かれた蒸気機関車のイラストが美しい。

(3)「シャーロック・ホームズの鉄道学」松下了平著、マイロネBOOKS、JTB発行、2004年

 シャーロック・ホームズ学とは、サー アーサー・コナン・ドイルが著したシャーロック・ホームズ物語を原典(聖典などとも呼ばれるらしい)とし、その記載から、例えばホームズや相棒ドクター ワトソンの生涯の年譜を作成したり、事件の現場が実際の地図上のどこにあったかを検証したり、ドイルの記載の矛盾の理由を考えたりするという、学問というか知的な遊びであって、それを実践しているのがシャーロッキアンと呼ばれる人たちである。この本は、そんなシャーロッキアンのお一人である著者が、19世紀後半、ヴィクトリア時代の英国の鉄道と、ホームズとの関わりをいかにもシャーロック・ホームズ学的に追求された一冊。
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