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坂の上の…(その28) [艦]

 etsutanさんの新作「吉野」を組み立てた(写真手前、奥は秋津洲)。
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 「吉野」は、明治26(1893)年に英国アームストロング社で竣工。翌年、日本に回航されて直ちに日清戦争に投入され、航海海戦において遊撃隊の旗艦として帝国海軍の勝利に貢献している。ちなみに日本への回航の際には、回航委員として秋山真之も参加している。
 「坂の上の雲」において清国の「定遠」「鎮遠」を狩る猟犬云々の記載があったことから、勝手に精悍な小型艦をイメージしていたが、こうして組み立ててみると結構な大型艦である(全長が鎮遠より長い109.7mもある)。日本犬ではなく、ドーベルマンやシェパードのような獰猛な洋犬といったところか。
 機関の改良による出力増強等によって当時の水雷艇並の23ノットでの航行を可能とし、世界最速を謳われた。後退角のついた煙突がその速さを体現しているようである。
 チリ海軍の「エスメラルダ」(後の帝国海軍巡洋艦「和泉」)等を嚆矢とするアームストロング社製防護巡洋艦、いわゆるElswick Cruisersの一つの到達点といっても過言ではない。
 また「秋津洲」と比べてみると砲の配置などがそっくりであり、「秋津洲」がElswick Cruiserを手本として造られたことが良くわかる。
 本艦の好成績に気を良くした帝国海軍は、日清戦争後に同形艦「高砂」をアームストロング社で建造させている。しかし日露戦争において、「吉野」は「春日」の衝角によって船腹を破られて、また「高砂」は触雷して、それぞれ日本海海戦前に沈没している。
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