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他社視察(その4) [他社視察]

 今回の視察はまだ行っていない。というかまだ開通していないので乗りに行けないのであるが、もう待てないので記しておく。3月20日に開通する阪神なんば線
http://www.hanshin.co.jp/nambasen/
のことである。
 本来の計画では、大阪万博に合わせて1969年には開通していたはずの路線である。40年待った。長かった。関西の私鉄ファンの多くは、この開通を待ち焦がれていたのではないだろうか。
 この線の開通によって、近畿圏に標準軌間の長大な鉄道ネットワークが形成されることになる。すなわち近鉄の標準軌間各線、阪神電鉄全線、阪急電鉄全線、神戸高速鉄道東西線、山陽電鉄全線、能勢電鉄全線、大阪市交通局堺筋線、京都市交通局烏丸線の各線が、実際に車両の直通が可能な状態で結ばれるのである。
 それだけでなく、実は近鉄けいはんな線の東生駒車庫構内には、けいはんな線車両の五位堂工場への回送用として近鉄奈良線とけいはんな線との間を繋ぐ渡り線が設けられているため、けいはんな線と、それに直通する大阪市交通局中央線、谷町線そして千日前線も前記ネットワークに組み込まれることになる。
 こうなると、残る京阪電鉄もネットワークに組み入れたくなってくる。某投資ファンドのM氏は、阪神を手に入れた後、当時工事中であったなんば線を京阪中之島線と繋いで阪急と対抗する計画をしていたらしい。なんば線が当初の計画通り開通した今となってはこの計画を実現するのは難しいが、例えば丹波橋の近鉄-京阪連絡線を復活させることはできないだろうか。
 丹波橋駅の南側から近鉄桃山御陵前駅に達していた連絡線の跡地は、分譲されて多数の家が建ってしまっているが、駅北側の跡地は確か自転車置き場しかなかったはずなので、復活可能ではないか。連絡線を復活させれば、京阪線から近鉄京都線を経由して京都市交通局烏丸線への直通運転が可能となるので、京都市南部の交通の利便性を向上できると考えるが、どうだろうか。
 話を阪神なんば線に戻すと、当面の間、列車の運用は阪神三宮と近鉄奈良との間での通勤電車(快速急行他)の直通運転に限られるらしいが、将来的には、例えば山陽姫路発、伊勢志摩方面行きの臨時特急等を運転する計画もあるらしい。もしもそうなった暁には、例えば須磨辺りの並走区間で、近鉄特急車がご自慢の大出力を生かして、130km/hで快走するJRの223系新快速を軽々と抜き去る姿などをこの目で見てみたいものである。
 また、せっかくこれだけの路線が繋がれるのだから、ファントリップとしていろんな列車を運転してほしいものである。こんな列車はいかがであろうか。
(1) 烏丸駅発、烏丸駅行き
 阪急電鉄烏丸駅を出発し、京都線を南下して十三駅着。十三駅南側の渡り線を渡って宝塚線に入り梅田駅着。梅田駅で折り返し、宝塚線を北上して宝塚駅着。宝塚駅から今津線を南下して西宮北口駅着。西宮北口駅の構内渡り線を渡って神戸線に入り、神戸線を西進して神戸高速鉄道新開地駅着。新開地駅で折り返して阪神本線に入り、阪神本線を東進して尼崎駅着。尼崎駅から阪神なんば線に入り大阪難波駅(近鉄難波駅)着。大阪難波駅から近鉄難波線、奈良線を経由して鶴橋駅着。鶴橋駅から大阪線に入り大和八木駅着。大和八木駅から新ノ口短絡線を通って橿原線に入り、橿原線を北上して西大寺駅着。西大寺駅から京都線を北上し、竹田駅から京都市交通局烏丸線に入って烏丸駅に到着。(逆ルートも可)
(2) 日本橋駅発、日本橋駅経由、日本橋駅着
 大阪市交通局千日前線日本橋駅を出発、千日前線を西進して阿波座駅着、阿波座駅の連絡線を通って中央線に入り、中央線-近鉄けいはんな線を経由して東生駒車庫着。渡り線を渡って奈良線に入り、西大寺駅着。西大寺駅から橿原線-新ノ口短絡線を通って大阪線大和八木駅着。大和八木駅から大阪線-近鉄難波線を東進して日本橋駅着。日本橋駅からさらに近鉄難波線-阪神なんば線、阪神本線を東進して神戸高速鉄道新開地駅着。新開地駅で折り返して阪急神戸線に入り、中津駅南側の渡り線を渡って宝塚線梅田駅着。梅田駅で折り返し、十三駅南側の渡り線を渡って京都線に入り茨木市駅着。茨木市駅で折り返し、淡路駅から千里線に入って千里線、大阪市交通局堺筋線を南下して日本橋駅に到着。(逆ルートも可)
 この第2案を実行するには架線集電と第三軌条集電の両方に対応した電車を造らなければならないが、技術的には実現可能である。アメリカのインターアーバンに多数の先例がある。例えばCNS&M(シカゴノースショアミルウォーキー)、CA&E(シカゴオーロラエルジン)の電車は、シカゴのL(高架鉄道、第三軌条方式)に乗り入れるため、ポールの他に第三軌条集電用の集電靴を備えていた。またサンフランシスコ近郊を走っていたSN(サクラメントノーザン)の電車は、自社線内にあった複数の電気方式に対応するためパンタ、ポールおよび集電靴の3種の集電装置を備えていた。
 問題となるのは法令上の規制をクリアできるかどうかである。踏み切りのある、つまり一般人が接触可能な地上線を、集電靴をむき出しのまま走ることが許されるかどうかである。
 阪神なんば線については、実際に視察した後に続報をご報告する。
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