MTAのトークン [きっぷ]
きっぶの記事の最初がコインとはこれ如何に…ですが、実はこれ、外国の鉄道などで昔よく使われていたトークン(代用通貨)というもので、歴としたきっぷの一種。
このトークンを1枚投入すると遮断機が回転して駅構内に入場できる、ターンスタイルという原始的な自動改札機などに使用するためのもの。今のような複雑な読み取りシステムがなかった時代に、改札を自動化するために開発されましたが、その構造上、使用できるのは運賃の均一制を採用している場合に限られていました。
日本では、東京地下鉄道の上野-浅草間開通時にターンスタイルは採用されましたが、トークンは発行されず、10銭硬貨1枚を直接投入していたようで、しかもその後、地下鉄の延長とともに均一制から区間制に変更されると、ターンスタイルは廃止されて普通の紙の切符に変更されており、結局、日本では鉄道用のトークンとターンスタイルが定着することはありませんでした。
写真のトークンは、ボストンのMetroporitan Transit Authority (MTA)が発行したもの。同局は1947年に発足して1964年にMassachusetts Bay Transit Authority (MBTA)に組織替えされていますので、この間に発行された1枚。
ちなみにMTAというとニューヨークの地下鉄が有名で、このトークンもNYのものとしてネットオークションに出品されていましたが、同市の地下鉄がMTAを名乗るようになるのは1968年で、ボストンが元祖です。なお、このトークンのどこにもBOSTONとは書かれていませんが、逆にNYのトークンには必ずNew Yorkと書かれているため、区別がつきます。
手に入れたトークンはずいぶん汚れていたため、まずはコーラ
続いてウスターソース、タバスコ、そして酢で洗いましたが、それでも汚れが完全には取れなかったため、最後に重曹をつけた歯ブラシでごしごし洗浄しました。洗浄後がこちら。
2021-03-12 20:34
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コメント(1)
nice!をいただいた皆様、ありがとうございます。
by hideta-o (2021-03-14 09:00)