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PCCカー(補遺) [PCC]

Con-CorのPCCカーは、いずれ3001号に改造する予定ですが、それ以外のボストンのPCCカーについて補足説明。
pcc17.JPG
(2) Pre War (No. 3002~3021、Pullman-Standard Car Manufacturing Co.、1941年製造)
ボストンのPCCカー量産第一弾は、1941年3月3日、つまり太平洋戦争が始まる12月8日(現地時間12月7日)以前に製造されたことから、”Pre War”の異名を持っています。20両が製造されました(冒頭写真)。
車体は、3001号とよく似ていますが、車体前後の裾が大きく切り欠かかれて、そこへトムリンソン式の密着連結器が装着されていることと、車体左側にも中扉が設けられていることが異なります。
これらの点は加工が容易(車体をカットするだけ)であるため、Con-CorのPCCカーを改造してPre Warを再現することを考えたのですが、車体右側の中扉の位置が、3001号と比べて窓一つ分後ろにあり、この点は加工が困難なため、改造を断念した経緯があります。
(3) Wartime (No. 3022~3196, 3222~3271、Pullman-Standard Car Manufacturing Co.、1944~1946年製造)
太平洋戦争中の1944年から製造が開始されたため”Wartime”。しかし、日本の戦時型車両と違って極めてしっかりした造りで、製造から75年以上経過したいまも、一部は現役で、MBTAのMattapan線で運用されています。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9E%E3%82%BF%E3%83%91%E3%83%B3%E7%B7%9A
https://youtu.be/3YcnsTN-1jE
車体はPre Warに似ていますが、前面窓が、昔の民生のバスのように一段引っ込んでいる点が異なっています。225両が製造されました。
(4) All-Electric (No. 3197~3221、Pullman-Standard Car Manufacturing Co.、1946年製造)
これまでの車両が制動や乗降扉の開閉、ワイパーの駆動などに空気圧を利用し、そのためにエアーコンプレッサを含む空気系を有していたのに対し、空気系を省略して全て電動式としたため”All-Electric”。25両が製造されました。
車体はWartimeに似ていますが、側窓がスタンディーウインドー、つまりバス窓になった点が異なっています。
Bowserから発売されたプラ製PCCカーのボストンバージョン
https://www.walthers.com/pcc-streetcar-tsunami-sound-dcc-executive-line-boston-elevated-railway-3221-orange-white-maroon
に、”Pre War”のところで書いた、連結器の取り付けと左扉の増設をすれば再現可能ですが、すでにこの製品自体が入手困難です。
(5) Picture-Window (No. 3272~3321、Pullman-Standard Car Manufacturing Co.、1951年製造)
制動などに再び空気系を導入した、最新で最後のPCCカー。All-Electricの側窓2つ分を1つの広窓とした、明朗で近代的な車体を持っています。50両が製造されました。
(6) Dallas car (No. 3322~3346、Pullman-Standard Car Manufacturing Co.、1945年製造)
旧型電車をすべてPCCカーに置き換えるため、廃線になったDallas Railway & Terminal Companyから1959年に譲り受けたもの。
両運で、車体の両側の前後に扉があり、これまでPCCカーが入線できなかった、ループ線のない折り返し区間にも使用するために、全25両が導入されました。

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hideta-o

nice!をいただいた皆様、ありがとうございます。
by hideta-o (2021-02-28 11:18) 

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